「みなみ……!」


やっぱり。


二人とも泣きたい時はいつも、ここに来たよね。


体育館横の更衣室の裏。


誰も来ないのに、なぜかベンチが置いてあって。


居心地がいいからいつもここにいたんだ。



みなみは私の声に気付くと顔を上げた。


私はみなみに近付き、ギュッて抱き締める。


みなみは声を上げて泣き始めた。



「どうしよう……っ!私のせいで、朝陽が退部になったら……頑張ってるのに……!」


みなみの声を聞いて私も泣きそうになる。


もしも


もしもあの写真を貼ったのが岡田さんだったら?


あの時


あっちゃんは岡田さんと何を話したんだろう。


やっぱりあっちゃんは、好きになっちゃいけない人なの……?



その後、みなみは体調が悪いと言って保健室に行った。


私は悪い予感がして


もしかしたら二人を傷つけてしまったのは自分かも知れないと思って


何も言ってあげられなかった。


何もできなかった。




*