教室に着くと、そこはすごい人だかりで。


朝陽はすごく人気があるから……



女の子の悲鳴も聞こえてきた。



「あ、芽依……!!」


クラスの、仲のいい子たちが私のところに走り寄ってくる。



「ねぇ、あれ本当なの?」


「全然知らなかった……」


「まさか朝陽くんと……」



口々に言う彼女達。


その言葉も聞かず、みなみと朝陽を探すけど


どこを見ても二人はいなくて。



「みなみは?」


「知らない。あの写真見て、顔色変えて教室飛び出しちゃったの……」


「写真は?写真はどこにあるの?」


彼女達はゴミ箱を指差す。


「朝陽が破って、捨てた。『これ、貼りだした奴も、これから取り出す奴も、許さねぇから』って言って、朝陽もどっか行っちゃったの。」



私はごみ箱の傍まで行くと、その写真を取り出した。



そしてグッと握り締める。



「芽依……それ、どうするの?」


「決まってるじゃない。捨てに行くの。」



誰の目にも留まらないところで


誰も見ることができないように。




教室を飛び出した瞬間



笑って私を見ている岡田さんと、目が合った気がした。




*