「芽依!!!」


学校に着くと、クラスメートの女の子が顔を輝かせて私の元に走り寄ってきた。


あっちゃんは朝練。


『一緒に学校行くか?』って言ってくれたけど、今日はそんな気分じゃなくて断った。



「ねぇ、知ってた?!」


ボーッとしていた私に、クラスメートの声がかかる。



「何を?」


笑顔で返すと、彼女は更に輝きを強めて言った。



「朝陽くんとみなみちゃん、付き合ってるんだって!!」


「……?!」



一瞬、何が何だかわからなかった。



『誰にも秘密なんだ。だから芽依と杉浦くんしか知らないの』


『野球部、恋愛禁止だから』


『秘密って、結構キツイよね……』



今までのみなみの言葉が甦る。



「なん、で……」


「え??」


「どこで、聞いたの……?」


「教室の黒板にね、二人がキスしてる写真が貼ってあったの。もうすごい噂だよ。学校中の皆が……って、芽依?!」



彼女の言葉を最後まで聞かず、走りだした。



みなみも朝陽もきっと、傷ついてる。




*