「何拗ねてんの?」
「す、拗ねてな…!……やっぱ拗ねてる、ちょっとだけ」
「プッ」
“やっぱ拗ねてんのかよ”って言って笑うあっちゃんの
意地悪だけど少しだけ優しい笑顔に
頬が赤くなっていくのがわかった。
そうだよ、せっかくのあっちゃんと一緒の登校なんだもん。
楽しまなきゃ損だよね!!
「あっちゃん!学校行くよ!」
「今、向かってるって……あー!だからシャツ引っ張んなって!皺になる!」
「そーんな細かいこと気にしちゃダメっ!楽しんだもん勝ちー!」
「発言の意味がわかんねーよ!」
言ってくれなかったのも
普段少し冷たいのも
ちゃんと理由があるんでしょ?
あっちゃん、ほんとは優しい人だもんね。
もう何も言わないから
もう少しだけ、傍にいさせてね─…?
*