「そんな派手な傘、見たことないんだけど!
ってか、男子大学生が持つ傘じゃないよね!?」
と言ってから、こいつは小学生用の筆箱と中学校の補助バッグを愛用している変人だった、と思い出した。
南くんは自分の持っている傘をまじまじと眺め、不思議そうに首を傾げた。
「そういえば、誰の傘だろう……何も考えないで使ってたなぁ」
まるで初めて見た傘のように、南くんはピンクの花柄の傘を観察している。
だめだこりゃ。
「たぶん、母がこっちに遊びに来たときに、俺の部屋に置いていったんじゃないですかね」
他人事のようにぼんやりと言うので、あたしは諦めて自分の傘を開いた。
ってか、男子大学生が持つ傘じゃないよね!?」
と言ってから、こいつは小学生用の筆箱と中学校の補助バッグを愛用している変人だった、と思い出した。
南くんは自分の持っている傘をまじまじと眺め、不思議そうに首を傾げた。
「そういえば、誰の傘だろう……何も考えないで使ってたなぁ」
まるで初めて見た傘のように、南くんはピンクの花柄の傘を観察している。
だめだこりゃ。
「たぶん、母がこっちに遊びに来たときに、俺の部屋に置いていったんじゃないですかね」
他人事のようにぼんやりと言うので、あたしは諦めて自分の傘を開いた。