~ 美姫 side ~



蒼『何食べたい?』


人が大勢いるからはぐれないように手を繋ぎたかったけど…

断った。

誰かに見られたら困るから…


だから手は繋いでないけどすごい近くにいる。


美姫『んー…わたあめと…りんごあめと…かき氷と…』


食べたいものを考えていると


詩織『たこ焼き!焼きそば!フランクフルト!
焼きとうもろこし!イカ焼き!あとは…』


詩織が割り込んできた。

てゆーか…


柊『…全部食うのかよ。』

詩織『あたりまえでしょ〜♪
全部食べ尽くすよ〜!先生のおごりね♡』


食べ尽くすって…

相変わらずすごい食欲…

てか…

なんで蒼のおごりなのよ。


詩織『いいでしょ先生〜♡』


蒼に近づきおねだりしてる詩織。


…なんかおもしろくない…

蒼が拒否してくれれば別にいいけど。

蒼『よし!じゃあ今日は思いっきり楽しむか。』

えぇ…!?

なんでそんなにノリノリなの!?


俊『さっすがせんせー!』


詩織と俊にちやほやされて嬉しそうな蒼。


なにこれ。


詩織『みーき〜〜やきもち妬かないの。』


ニヤニヤしながらこっちをみてくる。


美姫『…やきもちじゃないもん。』


詩織『照れちゃって〜美姫ちゃんたらかわい♡』


…バカにされてる…?

詩織にバカにされるとなんかやなんだよな〜…。


詩織に言い返そうとすると


蒼『美姫の欲しいの買ってやるから機嫌なおせよ。なっ?』


わたしの顔を覗き込んでくる蒼。


美姫『……りんごあめ食べたい。』


蒼『…ん、じゃあ行くか。』


…単純だな〜…

欲しいの買ってもらって機嫌よくなるって…

子供みたい…

でもやっぱ嬉しい。

欲しいの買ってもらえるからじゃなくて

大好きなみんなと…

蒼といれるから。


みんなで買いたいものの屋台を探しに歩いていると



………やば…

気持ち悪い。

人酔いかな…?

人混み苦手だからなぁ…

このままだと


倒れちゃうかも…


拓真に言うのが1番だけど…

心配性だから…。

みんなにも迷惑かけたくないし

この雰囲気を壊したくない。


どうしよう…


やっば言った方がいいかな…

そう思い前をみると、


……あれ…?


みんながいない…?


周りを見回したけど…

みんなの姿はない。


これって…

迷子?


みんなのところに戻らないと。


だけど…


体ももう…


みんなには後で連絡すればいいし…


とりあえず人混みから抜けないと。


なんとか人混みを抜けて人通りの少ない場所まで行った。

深呼吸して呼吸を整え薬を飲もうとバックをあけた。

けど…

……ない…

薬…忘れちゃった。


拓真なら持ってるかな…?


あんまり言いたくないけど…

しょうがない…か…


…電話しよ。