~拓真 side ~


美姫の家に行くと


山瀬が美姫の家から出てきた。


拓真『山瀬…』


山瀬『お、拓真くんじゃん。』


俺が山瀬にききたいことはただ一つ。


拓真『美姫と付き合ってるって本当なのか?』


山瀬『本当だよ。』


嘘だろ…!?

だって美姫には…

拓真『美姫には好きな人いるんだぞ。』

美姫には好きな人…


「紺野 蒼」がいる。


だから山瀬と付き合うわけない。


山瀬『あれ、拓真くん知ってたの?
美姫ちゃん誰にも言ってないって
言ってたんだけどなぁ〜…』

美姫から直接聞いたわけじゃないけど…

拓真『何年も前から美姫をみてるんだから
それくらいわかるよ。』


山瀬『ふーん…幼なじみってすごいね。』


クスクス笑ってる山瀬。

…バカにしてんのかよ。

山瀬『…それにしても…
教師と付き合ってるなんて
美姫ちゃんやるね〜。』

……え?

コイツ知ってるのか?

拓真『お前…それなんで…?』

山瀬『知らないとでも思った?
…ははっ…知ってるよ〜。』

知ってて美姫と付き合ってるってことは…

………まさか

拓真『お前…美姫を脅してるのかよ』

それならつじつまがあう。

美姫は今まで何回も告白されてるけど

全部断ってる。

その美姫が山瀬と付き合うなんて…

おかしいと思ったんだ。

コイツが美姫を脅してるならさっき

美姫の様子がおかしかったのも納得がいく。


山瀬『…脅してなんかないよ?
ちゃんと美姫ちゃんに告白の返事選ばせた
からね。
…付き合うかどうか。』

あやしいだろ。

美姫は好きでもない奴と付き合わない。

だからもし美姫が山瀬のことが好きで

付き合ってるなら笑顔で報告してくるはずだ。

拓真『…美姫に変なことしてないだろうな?』

山瀬『さぁね。
恋人ならしてもおかしくないことしか
してないよ?』

!?

お前美姫に何したんだよ。

俺だってまだ何もしてないのに。

山瀬『お先にごめんね〜。』

コイツ・・・

俺が美姫のこと好きなのもわかってんのかよ。


拓真『お前さぁ…
美姫のこと好きじゃないなら別れろよ。』

遊び感覚で美姫と付き合ってんじゃねぇよ。

山瀬『遊びじゃないよ。
最初は暇つぶしにいいかと思ったけど…
美姫ちゃんいいね。
本気になりそうだよ。
じゃあ俺は帰るよ。バイバイ拓真くん。』

そう言って帰って行った。

ほんと…

なんなんだよアイツ。

急いで美姫のところへ行くと…

鍵があいていた。

ガチャ

拓真『美姫!!』

美姫は…

ベッドに座っていた。

美姫『…拓真…』

…なんとか大丈夫そうだな。

拓真『アイツに変なことされなかったか!?』

美姫『え…大丈夫だよ…?』

ほんとかよ。

美姫はどんなときでも

「大丈夫」

って言うから困る。

拓真『山瀬に脅されてるんだろ?』

美姫が驚いた顔をしてる。

…やっぱそうか。

美姫『違うよ…?』

また嘘つくのかよ。


…でも

言いたくないんだろうな…

無理に言わせるのもかわいそうだし…

拓真『…まぁいいや。
でもなんかあったら連絡しろよ?
すぐに行くから。』

美姫になんかあったら俺が助けるから。


美姫の家を出て歩いてると


詩織『あ!!拓真いた!!』

詩織・夏妃・柊の3人が俺の家の前にいる。

……なんだ?

詩織『もぉ〜〜どこに行ってたの?
すごい探してたんだから!!』

だからなにが?

拓真『なんの用?』

夏妃『美姫と山瀬くんのこと…』

あぁ〜

やっぱそのことか

柊『拓真知ってたのか。』

知ってるわけないだろ。

俺だってさっき聞いたんだから。

拓真『……知らなかった。』


詩織『拓真もなの!?
あたしたちもさっき聞いてさぁ〜
もうびっくり!
あの学年一かっこいい山瀬くんと
美姫が付き合ってるなんて!』

拓真『そのことなんだけど…』

俺はさっきのこと

脅されてるのかもしれないことを

3人に話した。

詩織『えーー!!
脅してるってなにそれ!!』

拓真『あくまで俺の推測だけどな。』

夏妃『山瀬くん…そんなことする人に
みえないけど…』

柊『でも美姫の様子変だったし
あの今まで告白してきた人全部断ってた
美姫が付き合うなんて言ってるんだから
本当なのかもな。』

夏妃『脅されてるって…
紺野先生のことなのかな?』

…え!?

拓真『ちょっ…!お前ら知ってたのかよ!』

夏妃『あたりまえでしょ。
何年一緒にいると思ってるの?
…美姫は隠してるつもりみたいだけどね。』

やっぱすげぇな。

おそるべし幼なじみ。

詩織『美姫嘘つくのかへたくそだもん!』

柊『お前には言われたくないと思うけどな。』

詩織『美姫ほどじゃないもんねー!』

夏妃『詩織の話はいいから!
美姫のことでしょ。
脅してるってことは
なにか物があるんじゃないの?』

物?

夏妃『写真とか。』

あ〜…

夏妃『だって二人が付き合ってる証拠が
ないなら美姫だってシラを切るでしょ?』

…確かに。

詩織『じゃあさ!その証拠をみつけて
削除しちゃえばいいってことか! 』

夏妃『そういうこと。』

夏妃『美姫と紺野先生のことは
美姫が自分から言いたくなる時まで
私達は待ってよ?』

詩織『さんせーーい!』


さすが夏妃だな。

とにかく今は美姫を助けることが第一。

夏妃『じゃあそういうことで。』

四人で話し合い

俺たちはわかれた。