~美姫 side ~


あの日から


わたしの誕生日から1週間がたった。


その間も毎日先生は来てくれた。


拓真も


詩織も

夏妃も

柊も。


みんな忙しいはずなのに


そんなこと何も言わないで


毎日来てくれた


でもそれも今日まで


だって今日で入院生活は終わりだから


そう


とうとう今日は退院の日


だいぶ体調が落ち着いたから

「退院してもいいよ 」

っておじさんが言ってくれた。


先生が迎えに来てくれるって言ってくれた

からいつ先生が来ても大丈夫なように準備。






よし!

着替えもしたし準備OK!

あとは


先生を待つだけ




ガラガラガラ

蒼『美姫〜?準備できた?』

先生が来た♪

私服姿はじめてみる…

かっこいい…

思わずみとれてしまう

蒼『どうした?なんかついてる?』

美姫『ううん。私服姿はじめてだなぁ〜
って思っただけ。』

いつもスーツに白衣だもんね

まぁ…その姿も好きなんだけど

蒼『あ〜そういやそうだな。
そんなにみんなよ。
恥ずかしいんだけど。 』

あれ?なんか…照れてる?

美姫『かっこいいから大丈夫だよ♪』

蒼『……大人をからかうなよ。
…ほら!早く行くぞ。』

そう言ってわたしの荷物を持ってどんどん

行ってしまった。

美姫『からかってないもん!
てかちょっと待ってよ〜』

小走りして必死についていく

先生が急に止まったから

背中にぶつかってしまった

ドンッ

美姫『わっ…!急にどうしたの?』

荷物の1つを差し出して

蒼『美姫これ持ってて?
……でこっちの手貸して。』

そう言って


荷物を持ってる手と逆の手を

つかみ

絡ませてきた。


これは………


いわゆる恋人同士の…


はじめてした


普通のは小さい頃から拓真たちと

してるけど

こんなにも違うんだ…


好きな人とだと

なんでこんなにもドキドキして

あったかくて

幸せな気持ちになるんだろう

先生の車に乗りわたしの家へと向かう

蒼『そういえばその服どうしたんだ?』

美姫『拓真が持ってきてくれたの。』

蒼『へぇ…五十嵐が。』

どうしたのかな?

なんか…

蒼『やけに仲いいんだな。』

そりゃぁずっといるんだもん

美姫『まぁね〜何年も前から一緒にいるからね。』

蒼『ふーーん…
五十嵐のこと好きなの?』

え?なに言ってるの?

美姫『なんで?
拓真のこと好きだけど…
そういう好きじゃないよ?
わたしが好きなのは、先生だけだよ?』

そういうと先生は信号の待ち時間に

わたしの唇に先生の唇を重ねてきた

いつものキスとは違う

軽く「チュッ」と音をたて唇を離した。

蒼『ん、俺も。 』

車は走り出し家についた

蒼『ここで待ってるから支度しておいで。』

支度とは……


デートのこと


そう

これからわたしたちは


約束してた初デートに行く。


急いで家に入り服を選ぶ

どうしよう…

すごい悩む


でも先生が待ってるから急がないと…

とりあえず

お気に入りの薄ピンクのワンピースを来て

髪の毛をとかし軽くアイロンで巻き

色付きのリップクリームを塗って

先生からもらったブレスレットも

ついてるか確認して

部屋を出た。

外に止まってる先生の車へと走って