~美姫 side ~
先生の名前は紺野蒼(こんのあおい)。
26歳。独身。
保健の先生。
かっこよくて親しみやすくて生徒達の人気者。
そして…
わたしの好きな人。
ガラガラガラ
教室のドアを開けると…
詩織『美姫〜おっはよー!。
調子悪いんだって?大丈夫~?』
この子は松本詩織(まつもとしおり)。
明るくいつも元気なムードメーカー。
勉強は苦手だけど運動神経は抜群で男子と競えるほどでむしろそこらへんの男子よりはいい。
ショートヘアが似合うかわいい子。
夏妃『調子が悪い人に抱きつくんじゃないの!
大丈夫?』
この子は杉本夏妃(すぎもとなつき)。
詩織とは正反対な性格で大人っぽくお姉さん的な存在。
頭がよくていつも詩織のおバカ発言につっこみをいれている。
きれいなロングヘアが似合う美人さん。
美姫『休ませてもらったから大丈夫だよ。
心配してくれてありがとね。』
詩織『ならよかった!あ、そうそう!
拓真も心配してたんだよっ!
拓真ー!!
美姫来たよーー!!』
五十嵐拓真(いがらしたくま)。
幼なじみで両親がいないわたしを育ててくれたのは拓真の両親。
運動神経がよくて頭もそこそこよくて優しくて
…そしてかっこいい。
そんな拓真はモテる。
拓真『美姫!ごめんな!!
日直で先に学校行っちゃったから…。
大丈夫か?無理すんなよ。』
美姫『大丈夫だって!心配性なんだから。』
拓真『そりゃ心配すんだろ。だって…』
小声で何か言った拓真。
美姫『ん?何か言った?』
拓真『…何でもねーよ。
とにかく無理すんなよ。』
そう言って拓真は行ってしまった。
美姫『?どうしたのかな?』
夏妃『……あんたねぇ…』
詩織『美姫どんかーん!』
2人して意味のわからない事を言ってくる。
美姫『何なの?2人して。』
そんな事を言ってると…
柊『…はよ。』
美姫『柊!おはよ〜!』
後ろから話しかけてきたこの人は高木柊(たかぎしゅう)。
口数は少なく表情もあまり変わらずいつも冷静で
身長が高くモデルみたいなきれいな顔をしている。
美姫『柊〜聞いてよ〜。
2人が仲間はずれにするんだよ。』
柊『…そうゆうことか。
男には色々あんだよ。気にすんな。』
美姫『柊まで仲間はずれにした~!
みんなしてひどいよ!』
柊『…そんなに怒るとしわが増えるぞ。』
真顔で言う柊。
美姫『そんな歳じゃないもんね〜。
てかそんな事真顔で言わないでよ。
柊が言うとほんとにそうなりそうで怖いんだけど。』
そんな話をしてると…
蒔田『みんなー授業始めるわよ。
席につきなさい。』
先生が来たから一旦お開き。
わたしたち5人―
(わたし、詩織、夏妃、拓真、柊 )
は幼なじみでずっと一緒だった。
みんなはわたしにとって大切な仲間。
体が弱いわたしを差別しないでずっと傍にいてくれた。
これからもずっと一緒にいたい。
こんなに大切な仲間にも言えない事…
それは…
先生が好きな事。
みんなを信じてない訳じゃない。
でももしもの事があったら…
みんなが離れてしまうのは嫌だから…
だからこの事は言えない。
言わない。