~美姫 side ~
ガチャ
ドアをあけてみると…
拓真だった。
なんで拓真がここにいるの?
聞くと心配して様子を見に来てくれたらしい。
部屋の中に入りさっきまで
勉強してた机の上の教科書とノートを見て
拓真『勉強なんかしなくていいから。
横になってろよ。』
美姫『大丈夫だから。』
すると
拓真『大丈夫じゃねぇだろ!
どう見たって熱あるし体調悪いだろ!
……親父呼ぶ。』
拓真が怒った。
こんなことめったにない。
だからびっくりした…
でもおじさんに言うのだけはやめて。
今入院してる場合じゃないの。
美姫『やめて!!
おじさんに言わないで!
テスト終わるまでだから。
そしたら体休めるから!』
すると
拓真『熱何度?』
といつものように優しく聞いてきた。
ほんとはさっき計ったら
38℃でまた上がっちゃってたんだけど…
そんなこと言ったら病院連れてかれちゃう。
だから…
美姫『…微熱だから大丈夫。』
でも拓真には嘘だとわかってるみたいで
わたしのおでこに手をあて
拓真『……あっちいじゃん。』
ごめん…ごめんね拓真。
美姫『……ごめん。
でも明日のテストは受けたいの。
だからおじさんには言わないで。
言ったら入院になっちゃう。』
拓真は納得がいかない顔をしてたけど
拓真『……わかった。
そのかわり早く寝ること!
テスト終わったら病院に行くこと!』
え…
明日テストだから勉強しないと……
美姫『寝てなきゃダメ?』
拓真『だめ。』
拓真『テスト受けられなかったら意味ないだろ?』
確かにそうだけど……
でも…
拓真が心配してくれてるのはすごいわかる。
勉強やりたいけど…
今病院に連れてかれたらテスト受ける
ことすらできなくなる。
それが1番困る。
美姫『わかった。寝る。』
とベッドに横になった。
そうすると拓真は満足したように
拓真『ん、えらいえらい♪』
と頭を撫で
拓真『傍にいるから。』
としゃがんで目線を合わしてくれた。
いてくれるのは心強いけど…
拓真だって明日テストなんだから
はやく帰んないと。
美姫『ありがと。…でも帰っていいよ?』
拓真『大丈夫。
美姫が寝るまでここにいるから。』
と言って手を握っていてくれた。
拓真の手ってあったかいなぁ。
大きくてあったかくて
安心する。
知らないうちに寝ちゃっていた。
次の日。
テスト二日目。
今日は家庭科、保健、体育のテスト。
体調はあんまりかな。
熱は37,5℃で昨日よりはいいけど…
拓真が迎えに来てくれて学校へ行く。
すごい心配してくれてる。
1時間目は家庭科で
2時間目は体育の筆記試験。
3時間目は保健。
だから教室に先生が来る。
来た♡
よし、頑張るぞ!
熱で頭がまわらない。
でもなんとか終わった。
テストを回収してみんなは次の
体育(実技)の着替え中。
そんななか
やばいな。
そろそろ体が…
限・・・界かも・・・
そう思った時
バタッ
意識がどんどん遠くなっていった……