~美姫 side~


『ばいばーい!』


ふぅ…。

やっと1人になれる…。

もう少し長かったらやばかったかも…。

そう思い一安心していると


拓真『美姫?』


わたしの家へ向かおうとする拓真がいた。


これはもしかして…

そういうことだよね…?


美姫『えっと…拓真の家あっちだよ?』


気づいてないふりをして拓真の家の方を指で指すと


拓真『知ってるけど?』


クスッと笑い


拓真『送ってくよ。』


優しく微笑んだ。


その優しさがすごく嬉しい。

でも…


美姫『い、いいよ!
1人で帰れるし…。』


今は1人になりたい。

だから断ったのに…


拓真『1人じゃ危ないだろ。』


そう言って聞いてくれない。


美姫『だ、大丈夫だから…』


どうにかならないかと必死に大丈夫だと言うと


拓真『心配なんだよ。』


小さな声でそう呟き


拓真『なんかあったら困るだろ。』


恥ずかしそうにそう言いながら歩いて行ってしまった。


心配してくれるのすごく嬉しいよ。

でも…

もう我慢できそうにないよ…。

そう思っていたわたしの目からはもう

一粒…

二粒と涙が流れ頬を伝っていた。