~拓真 side~
帰る支度をしていると
山瀬『みーきちゃん一緒に帰ろ♪』
山瀬が美姫を誘っていた。
美姫は…
美姫『1人で帰れるから大丈夫。』
サラッとかわし
美姫『家反対方向じゃん。』
とかるくツッコんだ。
そんな美姫にもくじけず
山瀬『俺が一緒に帰りたいからいーの☆
こんな時間に女の子1人じゃ危ないよ?』
とまだ誘っている。
てか美姫は俺が送ってくし。
そう言おうとした時
母さん『大丈夫よ♡うちの拓真がちゃーんと送ってくから♪』
母さんに全部言われてしまった。
母さん『ねっ♪』
笑顔で同意を求められ
拓真『あぁ。』
俺がいるからお前は必要ない。
と言うように山瀬をみるとつまらなそうな表情をしていた。
そんな山瀬に
美姫『…山瀬くんちょっと……』
美姫が近づき小声で何か言っていた。
何を言っているのかと思っていると
山瀬『りょーかい☆
美姫ちゃんの頼みは断れないし☆』
山瀬の機嫌がよくなっていた。
…一体何を言ったんだ。
…後で聞こ。
家を出てみんながわかれる道まで歩いていると
詩織『そ〜いえばさぁ〜蒼っちとはどーなの?』
急にその話を持ち出してきた。
てか「蒼っち」って…。
つっこみたいところだけど今はそれどころじゃない。
別れてまだ数時間しか経ってない美姫にその事を聞かれるのはキツイだろ。
そう思い違う話題を考えていると
美姫『その事なんだけど…別れたんだよね。』
!?
言った!?
しかも笑顔で。
まったく気にしてない訳ではなさそうだけど…
でもやっぱり無理してると思う。
みんなも
詩織『えっ!?別れたの!!?
え?え?何で?ちょっ…』
柊『…お前うるさいから黙っとけ。』
みんなも…
というか詩織だけ声を出して驚いている。
柊はあまり表情に出てないけどたぶん驚いていると思うし
夏妃と山瀬も声には出してないけど表情で驚いているのがわかる。
美姫『んー…まぁ……色々あったんだよ。』
相変わらず笑顔で質問に答えている美姫。
詩織『それあたし達が原因でしょ!』
美姫『え?何で?』
詩織『だって拓真言ってたよ?
蒼っちがあたし達が学校にバラしたって言って言い合いになったって。』
おい…俺が言ったって言うなよ。
後で美姫に怒られるかもしんないだろ。
美姫『え…?拓真が?』
詩織『うん!!』
美姫がこっちをみて
「何でみんなに言うのよ。」
と言われてるようだった。
美姫『みんなのせいじゃないよ?
それに…
蒼の事は好きだったけど
みんなを悪く言われてムカついたし!
みんなのほうが大事だもん。
だからいいの!』
ニコッと笑い話していた。
これは無理して笑っている時じゃない。
いつもの笑顔。
その言葉とこの笑顔をみて俺も安心した。