~美姫 side~
みんなの所へ戻ると
わいわい盛り上がっていた。
何の話してるんだろ…?
耳を澄ましてみると
拓真の好きな人の話みたい。
そういえばいるって言ってたっけ。
誰かわかんないけど。
詩織『息子の好きな人もわかる~?』
おばさん『もちろん♪わかるわよ♡』
…って
美姫『えっ!?』
あ…
思わず声出ちゃった。
だってすごくない?
ずっと傍にいるわたしでもわからないのに
おばさんはわかるんだよ?
親子でもそこまではわからないよね?
…でもせっかくだから色々聞いちゃお♪
美姫『どんな人なの?』
傍に駆け寄り聞いてみると
おばさん『とってもかわいくていい子よ♡』
へぇ…
「かわいくていい子」かぁ…。
美姫『拓真見る目あるね!』
好きな人聞いたのはじめてだけど
やっぱ拓真が好きになるだけあるなぁ…。
どんな子かわからないけど
拓真が好きになった子だもん。
きっといい子だよ。
美姫『ねぇねぇ、その子って…』
とおばさんにもっと聞こうとした時
拓真『そこまで。』
わたしの唇に人差し指をあて話を遮ってきた
拓真。
ムゥ…
美姫『何で?』
拓真『何でも。』
それじゃ納得できないよ。
美姫『おばさんは知ってるのにわたしだけ知らないなんてずるい。教えて?』
そう聞くと
拓真『教えてって言われても…』
急に顔を赤くしてもごもごと何か言っている。
美姫『拓真?顔赤いけど大丈夫?』
熱があるのかと思い手を伸ばしおでこを触ろうとすると
拓真『いや…大丈夫だからその…』
やっぱり…
様子がおかしい。
美姫『全然大丈夫そうにみえないよ?
ほら、ここ座って?』
拓真『…ん。』
拓真をイスに座らせ
美姫『ねぇ…?拓真の好きな人ってかわいいんだよね?』
隣に座りまだ様子がおかしい拓真に聞いてみた。
拓真『いや…まぁー…そう…だな。』
そんなにかわいいんだ…。
じゃあ…
美姫『どのくらい好き?』
今度はそう聞いてみた。
すると
拓真『……も、』
「も」?
何言ってんの?
よく聞こえるように耳を傾けると
拓真『…もー勘弁して…。』
恥ずかしそうに顔を赤くしてそう言った拓真をみていると
柊『…勘弁してやって。』
美姫『…はーい。拓真ごめんね?』
拓真『いや…いいよ。美姫は悪くないし…。』
柊に言われ渋々諦めた。
でもあの拓真があんなになるなんて…
よっぽどその人の事好きなんだね。
拓真をみて
拓真がどんなにその人が好きなのかすごく
伝わったよ。