~拓真 side~
詩織『ちょっとちょっと~!!今の何!?』
母さん『あらあら♡
若いっていいわねぇ♡』
美姫と山瀬が出ていくと詩織と母さんは2人して盛り上がっていた。
つか…
うるせぇ。
そう思いふと夏妃をみると
…元気がない。
いつもなら騒いでいる詩織をすぐに注意するのに…
今は黙っている。
そりゃ嫌だよな。
好きな人が自分の親友を好きだなんて。
俺もそうだから…
昔からずっと美姫が好きで
ずっと傍にいるのに
俺の事なんて全然みてくれない。
紺野と付き合ってた時も
2人が一緒にいるだけで嫌だった。
だから夏妃の気持ちがわかる。
拓真『夏…』
夏妃に話しかけようとすると
詩織『え~!じゃあじゃあ…拓真は~?
わかる~?』
……ん?
今なんて言った?
つーか何の話してんだよ。
でも…
なんとなく嫌な予感がする。
拓真『何の話してんだよ。』
詩織『えー…おばさんが誰が誰を好きかみてればわかるって言ったから息子はどうなのかな~って思って♪』
拓真『……』
なんつー話してんだよ。
でもどうせわかるわけないしいいか…。
母さんに言ったことないし。
母さん『もちろん♪わかるわよ♡』
拓真・?『え!?』
やべ、思わず声が…
ってあれ?
今誰かと一緒になったような…
そう思い後ろをふりかえると
そこには
山瀬と驚いた表情の美姫がいた。
って…え?美姫!?
なんでここに…
まだ帰ってこないと思ってたんだけど…。
美姫『えっ!?おばさんわかるの?すごい!』
母さんに駆け寄り興味津々そうに目を輝かせている美姫。
てか
マジで母さんわかってんのか…?
わかってるとしたら困るな…。
頼むから変なこと言うなよ。
そう心の中で願っていると
母さん『息子の好きな人くらいわかるわよ♡』
美姫『すごーい!じゃあ…
拓真の好きな人ってどんな人なの?』
母さん『ふふっ…それはねぇ……』
おい…
何言おうとしてんだよ。
言ったら今までのが全部パーになるだろ。
少し緊張した面持ちで母さんをみていると
母さん『とってもかわいくていい子よ♡』
はぁ…
その一言を聞いて安心したのか体の力が少し抜けた。
美姫の反応は
美姫『へぇ~拓真見る目あるね!』
キラキラしたかわいい笑顔を俺に向けそう言ってきた美姫。
きっと自分がその好きな人だなんてこれっぽっちも思ってないんだろうな…。
俺が好きなのは美姫…
おまえだよ。