~美姫 side~


わたしはただ謝る事しかできず黙っていると


山瀬くん『…キスするよ。』

美姫『………!?なっ…え!?』


山瀬くんが何を言ったのかわからなくて
わかっても意味がわからなくて1人でパニクっていると


山瀬くん『ははっ…冗談だよ。』


何だ冗談か。

その一言で一安心してると


山瀬くん『でもそんな顔してるとほんとにするよ?ちゅー。』

美姫『なっ…!』


またそんなふざけた事を言ってきた山瀬くんを注意しようとした時


山瀬くん『やっぱ美姫ちゃんはさー
笑ってなきゃもったいないよ。
かわいいんだから。』


さっきまでとは違い
子犬のようなかわいい笑顔でそう言って頭を撫でてきた。


山瀬くん『まぁ…今そんな顔させたのは俺なんだけど。
…ごめんね?』


苦笑いしたかと思えば今度は首を傾げて甘えたように謝ってきた。

そんな彼を注意する事なんてできなかった。


美姫『ん…いいよ。』


さっきだって山瀬くんは悪くないもんね。


山瀬くん『…じゃそろそろ行く?
俺はこのまま2人きりでもいいけど。』


あーあ…

せっかくいい事言ったのに
いつもの山瀬くんに戻っちゃった。


美姫『もう…みんな待ってるんだから行くよ。』


部屋を出て歩いていると


山瀬くん『さっきはさー
美姫ちゃんは笑ってなきゃって言ったけど…
やっぱさ…誰でも笑ってられない時もあんじゃん?俺ら人間だし。
だからそんな時は我慢しなくていいんだよ。
辛い時、泣きたい時は俺のこの胸に飛び込んできな?
ぎゅーって抱きしめてあげるから☆』


まさか山瀬くんがそんな事言うなんて思わなかった。

結局最後はいつもの山瀬くんだったけど…。


美姫『はいはい、どうもありがとう。』


適当に返事しどんどん先に進んで行くと


山瀬くん『でもさっきのは本気だから。』


さっきって…何の事?

心当たりはあるけどどの事なのか…。


美姫『ねぇ何の事?』


と振り返り聞くと


山瀬くん『次あんな顔したらちゅーするって話♪』


振り返るとすぐ近くに山瀬くんがいて…

わたしの身長に合わ せてくれてるから顔がすごく近い。

近すぎてどんな顔をすればいいか困り目を逸らすと


山瀬くん『そんな態度とられると余計したくなるんですけど。』

美姫『…!!』

山瀬くん『だいじょーぶ。
嫌がってるのに無理やりするなんて最低な事しないから☆』


前に脅してた時無理やりしてきた人がそれ言う?

そう思ったけど言うとまた面倒な事になりそうだから黙っとこ。

あの時と今とじゃ違うもんね。

そのまま何気ない会話をしてみんなの元へ向かった。