~学校・階段~
階段を登り中に沢下さんに
「本当に大丈夫?優琴ちゃん。」
と、聞かれたけれど、私は、
「大丈夫だよ。」
と笑顔で答えた。
その瞬間、足が浮いた。
というよりは、バランスを崩して落下をして居た。
「えっ……。」
突然のことだったから、バランスを整える時間が無かった。
目をつぶっていても、痛みは襲ってこなかった。
恐る恐る目を開けると……。
「大丈夫か?」
えっ。驚いたのは、助けてくれた人。
助けてくれたのは、同じクラスで、皆の中心的存在の東山さんだった。
でも、その時は恥ずかしくて
「えっえ。あわわわ。あの……。もう下ろしてください。」
お姫様抱っこをされていたから。
でも、ニッコリ笑って
「だーめ。足は捻挫してると思うし、山里さん、風邪引いているでしょ。」
うっ。図星。何で分かっただろうと思っていたら。
急に、東山さんの顔が近づいていて
気づいたら東山さんとおでこゴッチンをしていた。
(熱があるか測る時に、体温計が無いときにやる行動のこと。)
ボーッとしていた。
そのまま、保健室に行き、家に帰ることになり、
東山さんが、私をおんぶして。
西沢さんが、私の荷物を持って家に帰った。