「なぁ。柚木って呼んで良い?」
「何読んでんの?」
「ポニーテールとか、似合いそうなのに」
…何この人?
メンタルが強すぎる。
私がいくら冷たくしても、彼は決して離れていこうとはしなかった。
「お前、友達いねーの?」
何かが刺さるような痛みを、胸に感じた。
そうだよ。
友達はいない、必要ない。
何か文句でもあるの?
「それがどうしたっていうの!?私には友達なんかいらない!桜庭くん、気を遣ってるのかわからないけど、ありがた迷惑っ!!」
思わず勢い良く椅子から立ち上がり、声を張った。
呆然とする桜庭くんの横を、睨みつけながら通った。
ザワザワとする教室。
この場から去りたい。
そう思った私は、女子トイレに向かった。