私は更に冷たくした。








「すいません。あなた誰でしたっけ」



「俺?桜庭隼人。隼人で良いよ」







知ってるよ。



私だって貴方の自己紹介、ちゃんと聞いていたもの。





でも、どうして離れていかないの。




何でそこまで私に絡むの。






優しい人は、苦手なのに。








「…桜庭くん。授業始まりますよ、座った方が良いかと思います」






ツンとした口調でそう言い、また本を読み始める私に少し戸惑った彼。



「あぁ」と一言だけ言うと、桜庭くんは席に戻った。




これで大丈夫、



きっと彼も離れていくから。