浅井君がめずらしく私に気圧された様子。

そりゃあ、湊によって死人が出そうなのだから、気圧すわ、私も。


「じゃあ、まあとりあえず注文しますか」

「あ、俺これ押したい!

この店員さん呼ぶボタン押したい!俺押したい!押していい?」


…5歳児か。

浅井君、多分バスのボタンも押したがるタイプだろうな~……。

あと多分、信号のボタンも押したがるタイプだろうな~……。


「…勝手にどうぞ」

「いいの!?押すよ!?俺押すよ!?押しちゃうよ!?」

「はよ押せや」


手汗ダラダラでボタンを押そうとする浅井君。


「ああああ、緊張する」


…はよしろや。


と、私がイライラし始めたその時。


「ポチッ」

「あーーーーーー!!!!!???」


じれったい浅井君よりも早く、湊がボタンを押してしまった。


「俺のボタンーーーーー!!!!」

「お前の所有ボタンじゃねえだろうが。

ボタン押すの遅すぎるんだよ。

ていうか腹減ってんだよ」