……マジかよ。


と絶句していると、ノックもなしに勝手に部屋の扉が開いた。


「わぁい、羽美お姉ちゃん、やっと起きた♪」


出てきたのは、弟の湊(みなと)。

小学6年生。

とんでもなくシスコン。

あとちょっとヤンデレ気味。

ぶっちゃけ怖い。


「…私、何か色々記憶がぶっ飛んでいるんだけど…」

「えっ、そう?

良かった、血生臭いところ見せちゃったけど、それも忘れているんだね♪」

「えっ、血?」

「ううん、なんでもないよ♪」


いやいやいやいや。

血生臭いって何よ!?

何なのよ!?


「…そういえば、私、クラスメイトの男子と一緒に帰ってきたと思うんだけど」

「ん?なんのことかな?

僕、よく分かんない♪」


…いやいやいやいやいやいやいや。

絶対何かやらかしただろ、こいつ…。