そもそも、他の女子にはフラれたらすぐに退散するのに、

私の場合は何故かいつもこのように、私の視界から失せてくれない。

何故なのだろうか。


100%謎である。

何か、大きな陰謀でもあるのだろうか?

まさか、実は私の事が好きなんじゃないの…と思わせておいて、後で散々弄んで捨てるつもりなのだろうか?

できちゃった結婚でもさせるつもりなのだろうか?

私の体が目的なのだろうか?それとも財産か?遺産?


否、それも有り得ないだろう。

この阿呆が出来る芸当とは、到底思えない。

ていうか有り得ない。


では何故?

何故彼はこんなにも粘着質で執着的なのか?

ねちゃねちゃでべちゃべちゃなのか?


“それ”に深い意味は無いのだろうか?

浅井君の事だから、またあまり意味は無さそうだが、それでも0.0000000000000000000001%以上ある確率の事を考えると、何故だか“そこ”に意味がありそうだから、つい考えてしまう。


まあ、86.5%の確率で、意味は無いと思われる。


「はあ…仕方ない」


私は、本を持って、席を立った。


「どこに行くんだ、深井」

「貴方が100%に近い確率で私の視界から退いてくれなさそうなので、私から退こうと思いまして」

「そっか、元気でな!

俺、お前の事一生忘れないから!」


何で永遠のお別れみたいになっているんだ。