なるほど、熱のせい。

つまり、浅井君といたら何故だか胸がキュンキュンして脈拍数が増加していて、私の顔が熱かったのは…。


熱のせい!!!


そう、熱のせい!!!

つまり、私は浅井君にときめいていたわけではなーい!!!


フラグは立っていなかった!!!


「じゃあ、今日は大分と体がだるくてしんどくて今にも吐きそうなので、速やかに帰宅します!」

「えらく元気そうだけれど…うん、その方がいいわね。

でもこれ程の熱じゃあ、ちゃんと帰れるか心配ね。

浅井、付いていってやり」

「「何で!?」」


何故浅井君に頼むの、先生!?

先生は私の味方じゃないの!?


「出来る事なら、私が深井さんをお家まで届けてあげたいけれど…私、実は仕事が山積みで…。

それに、今浅井が深井さんの家まで行くとすれば、大体30分…。

学校に戻ってくるまで1時間掛かるわ。

その間に、6時限目は終わってしまう……。

そして、私が浅井が授業に出れなかった事情を言わなければ…、

浅井は6時限目はサボったという扱いになって、浅井の成績は下がる……!」


何て魂胆だ。

というか、先生なのに生徒の成績を下げるような真似をして、大丈夫なのだろうか…。