とその時。


「ピピピピピッ」


と体温計が鳴った。


「あら、何度だったの?」


コロッと打って変わって、笑顔で智佳子先生が私の脇から体温計を取った。


「…38度2分」


えっ。

えっ!?


「…かなり熱があるみたいね。

今日は帰った方がいいわ…」

「その前に、ちょっと質問してもいいですか」

「何かしら?」

「私の顔が赤かったのって…」

「熱のせいね」

「脈拍数が異様に増加していたのって…」

「熱のせいね」

「やたらと胸が苦しいのって…」

「熱のせいね」