そして、私は体温計を脇に入れた。


「うふふ、後で舐め回そうっと…」


今先生なんて言った!?

舐め回そうって聞こえたような……。


「そういえば、なんでこのゴミクズまで来たんかね?

さっさと帰ってええよ。

というか帰れや」


ペッと唾を浅井君にかけながら、更に毒舌を吐く智佳子先生。


「いや、一応俺の責任なんで…」

「責任!?

お前、深井さんに何したねん!?

言うてみい、怒らんから言うてみい?」

「いや、でも怒るでしょう?言ったら」

「怒らんって、怒らんから」

「えっと…実はかくかくしかじかで…」

「何やて!?

お前、深井ちゃんに何してんねん!!!このアホンダラがああ!!!!!」


…怒らないと言ったのに怒ってる。

何だか浅井君が可哀想に見えてきた。