「あ、そういえば…さっき、浅井先輩が酷いたらどうたら言ってましたよね?

何が酷いんですか?」


首を傾げて、千早が言う。

首を傾げて疑問を言うという行動は、二次元だけで許される気がする。

だって…三次元でこんな行動している奴はちょっとうざい。


でもこの世界は二次元だからセーフ。


「ああ……彼ね、実は×××で×××な性癖を持っているらしいわ」

「うわぁー……」

「え!?俺そんな事言ってないけど!?」


さっきまで空気と化していた程に存在を薄めていた彼が、声を荒げて、目ン玉と唾を飛び出しながら言った。


「はああ………。

ありえませんね。

×××で×××なんて……女の子ならドン引きですよ?先輩」

「ていうか、×××で×××って何!?

俺の耳にはよく聞こえないんだけど!?

ピー音しか聞こえないんだけど、ピー音しか!!」


必死に訴える浅井君。

それでも浅井君を蔑む千早。


「それで、彼を通報しようと思うのだけれど、いいと思う?」

「いいですよ、深海さんの言うところの、100%です!」

「よね、じゃあ通報するわ」


私は、携帯で110番しようとしてー……。


「やめてえええええええええええ!!
李夫人…じゃなくて理不尽じゃあああああああ!!!」

「ちょ、浅井君何するんです!?」