「あー、その突き当たりを右」

「了解っす」


ペタペタと洗面所に向かう千早。

何で足音がペタペタなの…。

そんな、ペンギンじゃあるまいし。

そんなに靴下湿ってそうじゃないけれど……。


「ていうか、何で本当に浅井君は付いて来たんですか…。

正直、貴方を家に入れたくなかったんですが。

今から不法侵入で訴えてもよろしいですか?」

「えっ、踏もう親友?

親友は踏んじゃ駄目でしょ?」

「…踏もう親友じゃなくて、不法侵入です。

勝手に人の家にあがるな糞が、ということです。

出て行ってください、警察呼びますよ」


そういいながら、私は鞄の中から携帯を取り出す。


「いいじゃん別に、減るもんじゃないし」

「貴方が家にいる事により、部屋の汚さ、二酸化炭素濃度が増します。

地球温暖化の為にも、今すぐ死んでください。

地球の為に死んでください」

「理不尽だ!」

「李夫人?

脳味噌浅はか浅井君の割には、難しいものを知ってますね(笑)」

「何でかっこわらったの!?

ていうか何を勘違いしているのか分からないけれど、俺が言ってるのは、えっと理不尽だって!!」

「李夫人?」

「いやだから違う!」