「おはよう。」
「つくし、もう平気?」
「うん。もう平気。……お姉ちゃんは?風邪移ってない?」
「うん。」
「そう…」
心配とか、そういうんじゃなくて。
何となく、流れでそう聞いてた。
お母さんと顔を合わせるのがイヤだったっていうのもある。
お姉ちゃんと話せば、お母さんを見なくてすむから。
まぁ、結局会話なんてすぐに終わるんだけど。
そうやってまた一昨日と同じように、一日が始まって。
やっぱり同じように、お姉ちゃんと登校する。
あんなことを言っておきながら、結局私はいつも通りお姉ちゃんの“ボディーガード”をしている。
変わらないのだろう。
きっと。
ずっと。
三年後、五年後、十年後の未来でも。
私はお姉ちゃんの“ボディーガード”なんだ。
お姉ちゃんの“おまけ”なんだ。
そして、やっぱり一人で泣くんだろう。
そんな自分がイヤだった。
そして、それに耐えて、我慢してしまう自分もイヤだった。