「涼は好きな人とかいないの?」


この頃、お姉ちゃんの積極的さに驚かされる。


私の中でお姉ちゃんは、もっと弱々しくて、好きな人と話すのでやっとってイメージだったから。


「いるよ。」


いるんだ…


って、何落ち込んでるんだろう。


もう諦めたはずじゃん。


「どんな子?」


「ん?かわいい子。」


「それだけ?」


「弱くて脆くて。支えてあげたくなっちゃうような子。」


「ふぅん。」


かわいい子。


弱くて脆くて支えてあげたくなっちゃうような子。


まるでお姉ちゃんみたいだ。


いや、もしかしたらお姉ちゃんかもしれない。


そんな風に思いながら、いつものように二人の会話を聞いていた。




最近気付いたこと。


お姉ちゃんは私があまり好きじゃないみたい。


「…つくし、ダルいなら先帰ってもいいよ?これから買い物するし。」


こうやって邪魔者扱い。


「邪魔なら帰るけど。」


「邪魔とかじゃなくて…」


「わかったよ。帰る。」


今日は体がダルいこともあってすごくイライラする。


こういうとき、お姉ちゃんにあたってしまう。


悪いと思いながらもやめられない。


お姉ちゃんは何も悪くないってちゃんとわかってるのに。