【華】

咲がまた突然いなくなった。

これで二回目。

前は年末年始に、そして今回。

年末年始の時に、咲は実家にいたらしく、
今回も実家にいると思った葵は、
咲の実家へ行ったけどいなかったみたい。

 『ねぇ、卓巳?』

卓「ん?どうした?」

 『咲は、生きてるよね?
  なんで私達の元からいなく
  なっちゃったのかな?グスッ』

卓「生きてるさ!でもんー何でだろう…。
  俺らのこと嫌いにはなってない
  だろうし…。」

グスッヒック

最近は声を押し殺して泣くことが
多くなった。

咲が突然いなくなったことで、
ショックで学校へもあまり
行けなくなってしまった。

卓「華、大丈夫だよ。咲はきっと
  帰ってくるから。」

 『でも、そう言ってるのに、
  もう数ヶ月も帰ってきてない
  でしょ?』

卓「確かにそうだけど、華が信じなくて
  どうするの?咲の親友なんでしょ?」

 『グスッうん。』

卓「だったら、学校もしっかり行って、
  卒業して、咲をずっと待ってて
  あげればいいんじゃない?」

 『そうだね!』

私は卓巳の言葉で立ち直った。

咲、いつでも待ってるからね。

きっとそれは葵も卓巳もそうだから。

【華】END