掃除が一通り終わったから
ママに連絡した。

ママ「もしもし咲?
  どうかした?」

 『ママどうしよう。』

ママ「咲どうしたの?」

 『ママ落ち着いて聞いてね。』

ママ「えぇ。」

 『ママ妊娠しちゃった。』

ママ「えっ?なんで
  避妊しなかったの?」

 『してたんだけど、もぉ
  わかんないけど、赤ちゃん
  できちゃった…。』

ママ「そう…。で、どうするの?
  産むの?産まないの?」

 『産むよ。だって昔ママが
  おろすのは殺すのと同じって
  言ってたし、それにね、今日
  赤ちゃんの心音聞いたら必死に
  生きてるって感じたから…。』

ママ「それなら安心よ。」

 『反対しないの?』

ママ「反対はしないわ。けど咲
  学校はどうするのよ?」

 『やめて通信制を通うつもり。
  だから電話したの。』

ママ「いいわよ。あとそれと
  葵くんは?何て?」

 『………。』

ママ「言ってないの?これは
  二人の問題でもあるのよ?」

 『そうだけどさ…。
  避妊してたのに妊娠
  したって言ったら何か
  葵に申し訳ないから…。』

ママ「言わないつもり?」

 『うん。だからもう少し
  したら、この家からも
  引っ越してどっか
  アパートで暮らそうかなって。』

ママ「決心は固いのね?」

 『うん。』

ママ「わかった。私から葵くんには
  言わないわ。」

 『ありがと。』

ママ「ただし!」