そんなこんなで
山場を越えた気がした。

葵「咲お風呂一緒に入ろ?」

神様は意地悪なんですか?

葵「咲?」

 『あっ、ごめん
  先に入ってて?
  すぐ行くから。』

葵「うん、わかった。
  すぐ来てよ?」

 『わかってるよ。』

これも嘘。本当は
行く気なんてさらさらない。

でも、なんて断ればいいか
わからない。

だからこれしか
言えなかった。

でも20分経っても
出てこないから
しょうがなく行った。

葵「遅かったね咲。
  待ってたよ。」

 『ごめんごめん。
  片付けしてた。』

葵「へぇ~、ってか、
  早く湯船入りなよ。
  寒いでしょ?」

 『あっ、うん。』

バレないか心配。

葵「咲は相変わらず
  細いな。」

 『そんなことないよ。』

良かった気付いてないみたい。

葵「もう俺出るね。
  咲はゆっくりしてきなね。」

 『うん、わかった。』

この時葵が不思議に
思ってるなんて、わからなかった。

いなくなりそうだと
感じてたのかな?

ごめんね、葵。

身勝手な私でごめん。