「もう!来たことある人は言いなさいよ!」


「誰なんだよ!」


「私は違うよ…!?」




皆、思い思いのことを口々に言う。




しかし、山崎君は黙ったまま、まだ何かを考えている。


そんな、他の皆みたいに不安や疑問を口にせず、真剣に何かを考えている山崎君の姿はとてもかっこよくて、胸がきゅんきゅんした。




「皆、そんなことよりもニセモノの特徴は、もしかしたら1つじゃないかもしれない


。早く、次の部屋で、まだあるかもしれないニセモノの特徴を知るためにも、ぬいぐるみを探そうよ」




と、山崎君は言った。




私は、




「そうだね。


確かに、もしも他にもニセモノの特徴を教えてくれるのなら、たくさんニセモノの特徴を集めたほうがいいもん。


もしかしたら、この屋敷に来たことがあるのは、1人だけじゃないかもしれないんだよ?




で、今度は私達がぬいぐるみを探して、美玖達が休憩しよう、ね?」





と言った。




「うん、そうだね。


なんか、私も段々眠くなってきちゃったし…。


廊下でちょっと寝ようかな。


裕美子達は、次の部屋からよろしくね」





美玖は、ふわ~っとあくびをしながら言った。