「誰だよ、前にもここに来たことがあるやつって！」




竹井君が、皆に向かって叫んだが誰も返事はしない。


だって、もしかしたら殺されるかもしれないんだから。




ここに来たことがある人は、ニセモノだと勘違いされて、殺されてしまう。


セーブしたから助かるけれど、それでも殺されるなんてごめんだ。




それに、もしニセモノだったとしても……殺されたい人なんて、そういないだろう。




ニセモノは、ホンモノと同じ見た目、声、性格、癖、記憶、仕草…


それらを持ち合わせており、


しかも、ニセモノは自分がニセモノである事を知らない、とルーさんは言っていた。




つまり、ぶっちゃけると、ニセモノとホンモノは、同じなのだ。


例え、その見た目が、声が、性格が、癖が、記憶が、仕草がホンモノのコピーだったとしても。




例えば、美玖がニセモノだったとして、「殺せ」と言われたら…私は殺せないだろう。


だって、ホンモノの美玖と同じ見た目で、同じ声で、同じ性格で、同じ癖で、同じ記憶で、同じ仕草を持っているんだから。




ホンモノの美玖を殺すのと、何ら変わりない。