「でもさあ、見ろよ」




そう言って、ニセモノの俺は、死体に刺さっていたナイフを抜いて、俺の腕に刺した。




「!」




「ほら、よく見ろよ。


血が出てこない。


骨も見えない。


ていうか、俺の体かたすぎて、ナイフ取れないんだけど」




そう、俺はニセモノだ。


ニセモノの、空峰忠志だ。




この見た目も、声も、性格も、記憶も、全てニセモノだ。




「俺が、ニセモノだ。


さあ、俺を殺せ。


俺というニセモノのせいで、皆死んだ。


竹井も、菜畑も、安西も、植田も……。


なあ、憎いだろ?


俺が、憎いだろ?




なら、殺せよ………………………頼むよ、殺してくれよ……………」