どちらにしようかなの歌も、冬花ちゃんに教えてもらったんだ。




本当に本当に、楽しかった。


あの時は、すっごく楽しかった。




だけど……。




『ゴホッ!ゴホッ!!』


『冬花ちゃん、どうしたの』


『おびょうき。


とうかの中でわるいわるいやつが、とうかの体をいたいいたいにしてるんだって』


『だいじょうぶ?』


『うん、だいじょうぶ。


いつかなおるって、お母さんがいってたよ』


『よかった。


でも、きょうはあんまりあそばないほうがいいね』


『うん、きょうはもうかえろう』




その日から、冬花ちゃんと遊ぶことはなかった。


屋敷に行っても、「冬花は今遊べないの」と、冬花ちゃんのお母さんに言われるだけだった。




そして、数年後…冬花ちゃんが死んだと聞いたとき、俺は驚いた。




冬花ちゃんが、死んだ…………。