今まで南川や小池を使って、人を傷つけるようなことをさせていた植松は、まだ許せた。


私の、植松を好きって思う気持ちが、許させた。




けれど、本当に人を殺した植松は、許せなかった。




どうして、私は今まで植松のことが好きだったんだろうって、自分が情けなく思えた。


でも、やっぱり植松のことを好きなままだった。




そして、植松達に体を離され、ぺたりと座り込んだ景子ちゃんを見て、私はざまあみろと思った。


植松に体を狙われるってことは、それだけ植松の好みだってこと。


だけど、私は植松に体を求められたことはない。


私は、景子ちゃんが羨ましかった。憎かった。妬ましかった。




だから、そんな景子ちゃんが、好きな人が死んでいく映像を見て、呆然としている様子は、本当にスッキリした。




なのに、その映像を見た景子ちゃんがニセモノだったなんて。


あーあ。




まあいいや、後でホンモノの景子ちゃんが来たら、嬉しそうにこう言おう。


「直志死んじゃったよ!」って。


笑顔で言ってやろう。