南川先輩が殺されて、小池先輩も殺されて、皆が呆然をしている際に、実はこっそり拾っていたのだ。




「これ……で」




まだナイフについたままの血を、りん子先輩は怯えながら見つめる。




「どうしたんですか…………?


さっさと殺してくださいよ…私を」


「む、無理よそんな……殺せだなんて」




他人が他人に殺される様子は、笑いながら見ていられるのに、


いざ、自分が殺す側となったら、無理?




何それ。




ありえないんですけど。




だって、あなたはもう既に、人を殺しているじゃない!


直志を、殺したようなものじゃない!!




「殺せって言ってるんだよ!!!」




私は、りん子先輩の手を掴んで、私の腹を刺させた。




「ひっ…」




りん子先輩の顔に、ぴちゃりと私の血がつく。