永遠は少し照れた顔をすると、俯いて呟いた。


「…ありがと…」



それを聞くと、真理和は満足そうな笑顔を見せた。



ブォオオオオオ……


船の音が響いた時だった。



「トワくーん!!!マリオくーん!!!!」

二人は声のする方を見つめた。


「……船長だ…」



船長が向こうから走ってきた。




永遠と真理和は走ってくる船長を呆然と見た。




船長は急に二人の肩を握り、後を向かせた。



「船長!?」


「…見てみなサい…!!」



三人の目の前に見えるのは、小さい点。


いや……


あれ………



「船長…あれ…」


船長は笑顔で答えた。



「……あれが…ヨーロッパ諸国だヨ…!!」