船長は涙を拭き、無理矢理笑った。


「…あと2時間くらいで…ヨーロッパ諸国につく…それまで二人共…ゆっくりシててくれ…」


「……はい…」


「向こうについて…その傷を完璧ニ直して…また新しい人生ヲ歩みナサイ…アヤメもそれを望んでイるはずだ…」



永遠も真理和も、船長に柔らかい笑顔を見せた。



「……はい…ありがとうございます……」



その言葉を聞くと、船長は二人に背を向け、向こうに歩いて行った。





しばらくの沈黙。




それを破ったのは真理和。



「…なぁ、永遠?」


「…ん?」


「さっき…深美が俺に逢いに来てくれたんだ…」


永遠は目を丸くして、真理和を見た。