しばらくの沈黙が続いた。



聞こえるのは、真理和の息切れの微かな音と、永遠の啜り泣きする声。



真理和は永遠の手をそっと握ってやった。



「……まり…」


「…今更…後悔しても…遅いよ…な…ゴメン…永遠…」


「真理和が悪いんじゃない…自己嫌悪になっただけなんだ……」



真理和は血まみれの口をくっと上げると、言った。


「は…ぁ……疲れたな…永遠……」


「うん…とても…疲れた…」


「……寝てもいい?…到着…するまで…」


永遠は涙を拭い、無理矢理笑顔を作った。


「……うん…おやすみ…真理和…」



真理和は柔らかく笑うと、目をゆっくり閉じた。




しばらく真理和を見た後、永遠は窓の外の、段々暗くなっていく空を眺めた。