ふざけんな…





怒りが体中を駆け巡る。


多分それは真理和も一緒だと思うが…真理和は隣の牢屋に綴じ込められている。





そして、千草と喋っていた軍人が、この暗い部屋からでていった。


それを見送ると、千草が永遠と真理和の牢屋の前まで来た。





「……怪我はありませんでしたか?」



二人は黙って千草を見た。


千草は困った顔をすると、すとん…とその場で正座をした。



「い た い 所 は
あ り ま せ ん か ?」



すると、真理和が言った。


「風穴が通るこの手の平が、とても痛い…」



千草は檻の隙間から、真理和の手に触れた。



「……病院…なるべくはやく行かないといけませんね……」




真理和はさっきとは態度が真逆の千草をア然と見た。