『もう寝る?』


缶ビールを飲み干し、まどろんでいる僕を見て明子が言った。

僕は『あぁ・・』とだけ一言放ち、寝室へ向かう。


僕が床に就くと間も無く明子が寝室に入ってきた。

明子はおやすみと言いながら僕の横に寝た。

僕の肩先に自分の鼻先を擦り付ける様にくっついて来て僕の出方を探る。

僕は明子の期待に応える様に優しくキスをする。

明子は僕の応えを受けると嬉しそうに抱きついてくる。

昼間はとても暑かったが夜になると、大分涼しくなっていた。

開けていた窓から夏の心地良い風が吹き込んでくる。

先々週に明子と選んで取り付けた夏用のカーテンが優しく揺れて、時折月の光が差し込んでくる。


僕は明子が求めている事に気付いている。

明子は僕の背中を僅かに擦りながら僕がソノ気になるのを待ち続ける。

明子はそんな女性だった。