アパートに着くと僕の買い物と自分の買い物を、明子はいつもの様に律儀に冷蔵庫にしまい、シンクでそのままになってる僕のコーヒーカップをいつもの様に手際よく片付ける。
僕はテレビの深夜番組をつけたが、内容が一向に頭に入ってこない。
僕は脳の働きの悪い自分に諦めてシャワーを浴びる事にした。
『準備するからお風呂にしたら?』との明子の提案を丁寧に断り僕はシャワーを浴びる。
いつもと変わらない温度なのにシャワーの熱が刺さる様に感じる。
その刺さる様な感覚は僕の酷く疲れた体に強引に染み込んでくる。
明子がドアの向こうでいつもの様に部屋を片付けている。
僕がシャワーを浴び終わると、部屋は小綺麗に片付いていた。
灰皿の灰は捨てられて、散らかって置かれた雑誌も一箇所にまとめられていた。
明子はソファーに座り肩肘をついてテレビを観ていた。
僕は冷蔵庫に向かい缶ビールを取り出しソファーに座るのを待たずに封を切り喉奥に流し込む。
『・・・私もシャワー浴びてきていい?』
明子の問いに僕は無言で頷き、缶ビールを片手にソファーに座る。
明子は鼻歌を歌いながらシャワールームに向かう。