ホテルに着くと明かりを消す間も無く、僕は夏恵の唇に唇を重ねた。
僕は感情の赴くままに夏恵を抱き寄せて唇を重ねる。
僕の舌先が夏恵の口内に吸い込まれる。
夏恵も僕の要求に応える様に舌を絡ませる。
薄く柔らかい夏恵の下唇を僕の唇で軽く挟む。
夏恵の吐息が僕の鼻先に吹き付ける。
その吐息は、すごく暖かく、そして何処か儚い。
僕は名残り惜しむ様に夏恵の下唇を放す。
顔を戻して夏恵の顔を見つめる。
夏恵は優しく微笑む様にこちらを見つめ返す。
その微笑に僕は完全に魅了される。
僕は夏恵の首筋に吸い寄せられる。
そこには僅かに昼間の名残りの様に香水の香りが残っているが、二人ここに来るまでに雨に打たれたので、その香りはホントに僅かなものだった。
だが、その香りは僕の中で完全なる媚薬に変わり、その香りを貪る様に僕は首筋にキスをする。
夏恵の切ない吐息が僕の耳に吹き込む。
狂おしい感情に頭の後ろの方がチリチリと音を立てて燃え上がりそうになる。
夏恵の指先が僕の心の奥をくすぐりに来た魔物の様に僕の背中を這う。
夏恵は僕の首の後ろに手を回して、崩れ落ちそうになる体を支える。
僕は崩れ落ちそうな夏恵の首筋を貪りながら、そのまま優しく一緒にベットに崩れる。