『安西さん・・・彼女の誕生日は?』
『・・・妻は11月です・・・25日ですが・・・何故?』
『・・・そうですか・・・夏恵は僕の誕生日を祝ってくれました』
『そうですか・・・ハルミの誕生日も祝ってやって下さい』
『僕は夏恵しか知りません・・・夏の大好きな夏恵しかしりません』
『・・・・夏恵の誕生日は8月です20日です』
『安西さん・・・僕は夏恵を抱きました。深く深く愛して抱きました』
僕はいたたまれない思いに声を荒げる。
『そうですか・・・私はハルミしか知りません』
男はそう言ってテーブルの上に携帯と千円札を二枚置いて店を出て行った。