『・・・ハルミと話す事は出来ません。』
『・・・え?』
『トモさん、理解していただきたい。私はハルミを愛した人間としてココに来ています。・・何度も言う様ですがあなたを責めたい訳じゃない。』
『・・・はい』
『ハルミは死にました。』
『・・・何故』
『・・・ハルミは自ら命を絶ちました』
男はそう言って外を眺めた。
いつ頃からだろうか外は雨になっていた。
雨は静かに降っていた。
僕も外の優しく静かに降る雨を眺めた。
そしてまるで夏恵の死を受け入れないかの様に喫茶店のカウンター席に座るびしょ濡れの白いブラウスを着た夏恵を思い浮かべた。
僕は目を閉じ思い浮かべた。