『トモさん・・・私はあなたの事を責めたりしません。むしろ私に責めるべき権利もないのです。・・・ただ私は本当の事を知りたい。・・・ただそれだけなんです。』
男はそう言ってコーヒーを一口含み、こちらを真っ直ぐに見つめた。
彼の目線は本当に真実のみを求めてる事を証明するかの様に曇りなく澄んでいて、僕をその瞳の中心に捉えていた。
『真実を知ってどうするんですか?』
僕は不仕付けな質問で返した。
男の要求に応えるつもりがない訳では無い、僕は酷く混乱していて何をどう話せば良いのか本気で分からなくなっていた。