「確かに。」




傷がないかどうか、不備がないかを一応一通り確認してから、右京は頷いた。




「次は別の用件で来ることを祈るよ」




そう言った鍵師の言葉に、



「あたしだってそーしたいよ。ってか次は左京に来させるから。」




口を尖らせて拗ねたように応えると、代金を支払った。




「もっと、城の近くに開業してくれない?」




自分勝手極まりない事を頼んでみるが、鍵師はにこりと笑う。




「寒いのが苦手でね」




「そっかぁ」




残念そうに相槌を打ってから、右京は鍵箱を、持ってきた袋に閉まった。