だけど、いつもみたいにすぐに自分の席に戻らず
ズンズンこっちに向かってくる。
…?
「リコじゃない?」
ニヤニヤしながらあたしのお腹をツンツンしてくる友里を放置して
あたしはビックリとドキドキで
おかしくなりそうなくらい。
お腹に余計な刺激を与えるのやめなさい!
あたしの目の前で一瞬足を止めた藤田くんは、
私の机にサッと見覚えのある紙を滑らせた。
何も言わず、顔色一つ変えず。
そのまま自分の席に、何事もなかったかのようにストンと座った。
机に残った紙切れ。
これって…さっきあたしが置き手紙したやつ…。
生徒手帳の、切れ端。