教室に戻ってから気づいた。



置き手紙に名前書くの忘れた………って。



いや…、でも。

藤田くんがイチゴミルクを好きなことを知ってるのはあたししかいないんだし

名前なんていらない、か。




なんだかいつ考えてもやっぱり
イチゴミルクの秘密を知ってるのがあたしだけっていうが嬉しい。




藤田くんの特別ににはなれなくても、
秘密を知ってるっていう特別にはなりたい…。



ちょっとニヤニヤしながら友里の元へ戻って世間話をした。



予鈴が始まる5分前に戻ってきた藤田くんは、相変わらず真顔だった。